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THE STORY OF JAPANESE TEXTILES

「日本の美しい布」

会期
2019年9月2日(月)–2019年12月14日(土)

西陣織の老舗「細尾」では、2019年9月、織物をメディアとして日本の歴史、文化、そして未来について発信するHOSOO GALLERYをオープンいたしました。そのオープニングとして開催した展覧会「 THE STORY OF JAPANESE TEXTILES『日本の美しい布』」では、「細尾」12代目の細尾真孝が日本国内33箇所の産地を訪ね歩き、古くから伝わる布の技巧や美しさを独自の視点で記録したドキュメンテーションを、布のコレクションと映像作品によって構成し、展示しました。

布のコレクション

2015年から4年の歳月をかけて細尾が訪ねた「越後上布」「黄八丈」「京友禅」「大島紬」など33箇所の産地に焦点を当てました。熟練の職人たちの手によって幾重の工程を経て織り上げられた至高の布から、長い年月をかけて人々の暮らしの中で育まれてきた布など、布の原点に焦点を当てた多種多様な物語を、実物の布のコレクションと制作工程のスライド写真を通して紹介しました。また布の鑑賞の手引きとして、各染織の特徴と深い関わりを持つ素材や道具の展示を行いました。

映像インスタレーション

高谷史郎ディレクションによる映像作品では、20,000点を超える記録の中から厳選された写真を、幅180㎝の織機の糸に投影。布が織り上げられる様子を再現しつつ、色彩やパターンに分解・構築し直すことで、布の新たな様相を表現したインスタレーションを公開いたしました。

Exhibition Handout

PROFILE

細尾真孝

株式会社細尾 常務取締役 MITメディアラボ ディレクターズフェロー1978年、西陣織老舗 細尾家に生まれる。大学卒業後、音楽活動を経て、大手ジュエリーメーカーに入社。退社後フィレンツェに留学し、2008年に細尾に入社。西陣織の技術、素材をベースにしたテキスタイルを海外に向けて展開し、世界のトップメゾンをクライアントに持つ。また、アーティストとのコラボレーションも積極的に行う。2012年より京都の伝統工芸を担う同世代の若手後継者によるプロジェクト「GO ON」を結成。2014年日経ビジネス誌「日本の主役100人」に選出された。2016年、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ ディレクターズフェローに就任し、西陣織と最先端のテクノロジーの融合による革新的なテキスタイルの開発を行う。

高谷史郎

1984年からアーティストグループ「ダムタイプ」の活動に参加。様々なメディアを用いたパフォーマンスやインスタレーションを制作し、ドイツ世界演劇祭、マルセイユ・フェスティバル、東京・新国立劇場、びわ湖ホール等での公演や、東京都写真美術館での個展等。2019年11月から2020年2月まで、東京都現代美術館で「ダムタイプ展」。2022年には「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」にダムタイプが日本代表作家として作品展示予定。平成26年度芸術選奨メディア芸術部門文部科学大臣賞受賞。平成30年度京都府文化賞功労賞受賞。